社会保険労務士 せき事務所

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2026年、労働基準法が約40年ぶりの大改正へ
~企業の労務管理に大きな影響、早期の準備が必要です~
厚生労働省は、2026年通常国会で労働基準法(労基法)の大幅な改正案を提出する方針を示しており、早ければ2027年4月にも施行される見込みです。
今回の改正はおよそ40年ぶりの抜本的見直しとなり、連続勤務の規制強化、休日管理の厳格化、勤務間インターバルの義務化、副業・兼業の労働時間通算ルール見直しなど、企業の労務管理に直結する内容が多数盛り込まれています。
本NEWSでは、その主なポイントと企業に求められる対応を分かりやすくまとめました。
■ 労基法改正の主なポイント
1.連続勤務の上限規制(14日以上の連続勤務禁止)
現行の「4週4休」特例制度が見直され、2週2日の変形週休制が導入される予定です。
長時間労働是正と健康確保の観点から、14日以上の連続勤務は不可となり、シフト管理や繁忙期の運用に影響が出ます。
2.法定休日の事前特定義務
これまで曖昧になりがちだった法定休日について、週1日の法定休日の曜日を事前に特定することが義務化されます。
この改正により、休日割増賃金の計算誤りや労務トラブルの防止が期待されますが、シフト制を採用する企業では運用見直しが必要になります。
3.勤務間インターバル制度の義務化
働き方改革で努力義務とされてきた制度が、ついに義務化される見込みです。
終業から次の始業まで最低11時間以上空ける必要があり、飲食・小売・介護などのシフト産業では特に影響が大きいと考えられます。
4.年次有給休暇の賃金算定方式の原則化
年休取得時の賃金について、これまで複数あった算定方法のうち、
「通常賃金方式」を原則とする方針が示されています。
給与システムの仕様変更が必要になる企業も多く、早めの準備が求められます。
5.「つながらない権利」ガイドライン策定
勤務時間外に会社からの連絡に対応しないことを認める、いわゆる
「つながらない権利」に関するガイドラインが策定されます。
管理職の業務連絡方法やテレワーク運用の見直しが不可避となります。
6.副業・兼業者の割増賃金ルール見直し
副業先と本業先の労働時間通算方法が見直され、
割増賃金の算定ルールが変更される予定です。
近年増加する「複数就業者」への対応が必須となり、実務運用が大きく変わる可能性があります。
7.週44時間の特例措置の廃止
これまで一部業種(商業・接客娯楽など)で認められていた
週44時間の法定労働時間特例が廃止され、
原則どおり週40時間制へ一本化される見込みです。
対象業界ではシフト再構築が不可欠となります。
■ 企業に求められる主な対応
今回の改正は、単なる制度変更にとどまらず、人件費・シフト管理・労務リスクの観点で大きな影響を及ぼすことが予想されます。
企業に求められる主な対応は以下のとおりです。
● 就業規則・雇用契約書の見直し
休日の特定、勤務間インターバル、副業規定など、広範囲にわたる改訂が必要になります。
● 勤怠・給与システムの改修
勤務間インターバル、自動割増計算、年休賃金計算方式など、システム修正が発生する可能性が高い分野です。
● 従業員説明・教育体制の整備
運用が変わるだけでなく、従業員の理解が不可欠な改正が多いため、説明会や研修の実施が推奨されます。
● グループ会社を含む共通ルールの設計
グループ経営の企業は、会社間で労働条件の不整合が生じやすいため、早期の統一方針策定が望まれます。
■ 施行時期と今後のスケジュール
・2026年:通常国会に改正法案提出予定
・2027年4月以降:施行の可能性
(詳細は国会審議を通じて確定します)
今後も政府審議会で議論が進められる予定で、情報は随時アップデートされます。
当事務所でも最新情報を追いかけ、企業の実務に落とし込める形で分かりやすくご案内してまいります。
■ 最後に
今回の改正は、人事労務領域において非常に大きなターニングポイントとなる内容が多く含まれています。
「どこから手を付ければいいのか分からない」「自社は何が影響するのか判断が難しい」
という企業様向けに、当事務所では個別相談・実務対応支援も行っております。
お気軽にお問い合わせください。
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